登校班に遅れても学校に一人で行けた日

ツブヤキ#237

我が娘も2年生の授業を終えて春休みに突入し、毎日仲良しのお友達を引き連れては我が家で遊び、大騒ぎしていますが、2年生としての登校も終わりの先日、嬉しいことがありました。

学校の準備は学校に行く直前にやる、というスタイルは1年生のころから続き、2年生になっても健在。

さすがに2年間も学校に通うと、登校時間ぎりぎりで学校の準備をし、朝のごはんを3分でかき込んでダッシュで出発、というのもお手の物で、親としても娘が「学校の準備を前の日にする」ことはすでに諦めていますが、たまに準備しなければならないものが見当たらずタイムアウトになることがあり、そんな時は娘は火がついたように泣き、「走って追いかければ(登校班に)間に合うよ」と言っても「一人で行くの嫌だ!」と言って絶対に自分一人では行こうとしないところは変わりません。それならば前の日に準備すればいいじゃないかと毎回思うのですが、もう学校に送らないからと言っても玄関に座り込んで泣き、てこでも動かないので、その後仕方なく車で学校まで送るのが毎度のこととなりました。

学校もあと数日で終わり、というある日。

三日ほど前に娘は出発時間に準備が間に合わず、泣いて「一人で学校に行くの嫌だ!」とごね、仕方なく車で学校に送り、「もう次は学校に遅れてもお父さんは送らないからね」と言ったにもかかわらず、三日後にまた同じことをくりかえすことに呆れ果てました。

しかし、この日は娘の楽しみにしていたものが二つ。

一つは「転校するお友達のお別れ会」、もう一つは「2年生最後の給食」。最後の給食はいつもよりちょっと豪華なのだそうです。

「これはチャンスだ!」と思いました。

いつもの授業だったらべつに学校に行かなくても平気な娘も、今日ばかりは行かないわけにはいかないだろう。

「お父さんは今日は送らないからね。この前、もう学校には送らないって言ったばかりでしょ。お別れ会に出たいのなら一人で行きなさい。」

大泣きの娘は、いつもは送らないといいながら結局は送ってくれる父が今日はさすがに送らない、と察したのでしょう。観念して泣きながら玄関から出て行きました。

しかし。

5分くらいしたら戻ってきました。「こわい、こわいー!!」と言って。

学校の近くにある習字教室には一人で勝手に行けるのに、何がこわいのでしょうか。

「何がこわいの?」って聞きますと、一人で行くのがこわい、と。何がこわいのか分かりませんが、心細いということなのでしょうか。

ちょっと考えて、それならば、と、ロザリオをつかんで、マリアに守ってもらえるようアヴェ・マリアの祈りを唱えながら行きなさいと娘に渡しました。娘が「学校に持っていっちゃだめだよ」と言うので、ポッケにいれておけば大丈夫だよ、と言って持たせました。

涙に濡れた顔を洗面台で洗い流している娘の後ろから、「今日が一人で学校に行けるチャンスなんだよ。きっと、一人で行けてよかったと思うし、なんだ大したことなかったって思うと思うよ。あなたを守るのはお父さんでもお母さんでもない、神様なんだよ。お父さんお母さんはいつか死ぬ、でも神様はあなたをずっと守ってくれるんだからね。何もこわくないよ。」と声をかけました。

それからしばらくして、娘は自分から出かけていきました。そして戻ってきませんでした。

娘は祈りながら学校への道を急いでいるだろうか。私も一緒に、心の中で祈りました。

*****

午後、学校が終わって、娘はお友達と一緒に帰ってきました。

朝のことなど何でもなかったかのように、いつものように元気な娘。

朝どうだった?と聞きますが、友達の手前もあるのか、「うん。」とだけ言って、聞いて聞かぬふり。

夕食のときに、聞いてみました。

「朝、学校行くとき、誰かいた?」

「ううん、誰もいなかった。」

「お祈りしながら行ったかい?」

「しなかった。

遅れないようにずっと走ってた。

一人で歩いてる子も何人かいたよ。

学校についたらまだ授業が始まってなかった。」

登校班に遅れて一人で学校に行くというのは、2年生ではもしかしたら早いのかもしれないけれど、ずっと越えられなかったハードルを娘がようやく越えてくれた気がして、なんだかとても嬉しかったのでした。

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